先日ニュースでもお伝えした、MINOURAスマートフォンホルダ「iH-100」を試してみたので、その使用感をレビューする。
「iH-100」は、iPhoneなどを自転車のハンドルに取り付けるマウンタだ。自転車用マウンタは、いくつかのメーカーが発売しているが、そのほとんどの製品は、ベルトをネジでくくり付けるタイプで、マウント部とフォルダ部が取り外しできることが多い。しかし、「iH-100」は、同社お得意のクイッククランプで取り付けることにしているのが大きな特徴だ。そのため、取り付けに際して特別な工具を必要としない。また、従来のクイッククランプではなく、取り付け径の幅により微調整ができるタイプを新開発している。通常のハンドル径用にSタイプが、また、MTBなどのオーバー径用にMタイプがあるので、ほとんどのハンドルに対応できそうだ。クランプはアルミ製で、ハンドルに傷が付かないように、保護テープが付属しているので、安心して取り付けられる。
スマートフォンは、ラチェット式のウィングで、左右から挟み込んで固定する。推奨する機器の幅は58から68mmで、厚さは9から15mmまで。内側に貼られた発泡ウレタンシートで固定されるので、滑り落ちる心配はない。iPhone3GSを取り付けた感じでは、思ったよりしっかり固定されるので、見た目とは裏腹に今まで試したマウンタの中では、一番安心感がある。
挟み込んだスマートフォンを取り出すには、本体下側の赤いボタンを引いてロックを解除する。この時、ウィングがいきなりバネで開くので、スマートフォンを落とさないように注意が必要だ。
同社の社風なのか、頑丈さは申し分ないと思うのだが、twitterでもつぶやいたとおり、一点だけ不満がある。それは、縦横の向きが簡単に変えられないことだ。スマートフォンの縦または横の位置は、最初の組み立て時に決めてレンチで固定するため、使用中に縦位置から縦位置に回転させることはできないのだ。角度を変えたい場合は、スマートフォンを取り外して中心のレンチをゆるめて回転させ、再びレンチで固定しなければならない。この仕様は、サイクルコンピュータのアプリが横位置で、ナビアプリが縦位置の場合致命的だ。せめて、工具なしで簡単に緩められる構造にして欲しかった。強度や耐久性の問題もあるだろうが、次期バージョンを出す際には、是非とも検討していただきたい。
また、必須ではないのだが、ウィングだけでは不安だというユーザのために、リヒターのセキュアバンドのような固定用のベルトがあると、より安心感のある製品になるに違いない。